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【VIX】で市場のボラティリティを予測!リスク管理に役立つ指標

アイキャッチ_【VIX】で市場のボラティリティを予測!リスク管理に役立つ指標

株式市場は常に変動し、投資家にとって不確実なリスクがつきものです。

特に、市場が急激に動くとき、どのように対応すべきかが重要なテーマとなります。

投資家の多くが経験する悩みは、「今の市場がどれだけリスクを抱えているのか」という点です。

この記事では、VIX(ボラティリティ・インデックス)を使って市場の変動を予測し、リスク管理を行う方法を詳しく解説します!

VIXを理解すれば、市場が不安定な時期にも適切な投資判断ができるようになります。

 

この記事はこんな人向け

  • VIXを活用してリスク管理を強化したい投資家
  • 市場の不確実性に備えたい株式投資初心者・中級者
  • 投資戦略にVIXを取り入れたい方

本記事に書かれていること

  • VIX(ボラティリティ指数)の基本的な理解
  • VIXを使ったリスク管理の方法
  • VIXを活用した投資戦略のヒント

 

最終的な判断は自己責任でお願いします。株式投資は、さまざまなリスクを正しく認識したうえで、自分自身の判断と責任に基づいて行ってください。

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執筆者情報

  • 名前: おみくん
  • 投資歴: 11年、損益レシオは2.57以上を維持。主にオニール流成長株投資を実践
  • 学習量: 投資関連本200冊以上読破
  • 資格・学位: 中小企業診断士(29歳で資格合格)、経営学修士(MBA、28歳で修了)、2級FP技能士

 

VIXとは何か?〜市場の「恐怖指数」〜

VIX(ボラティリティ・インデックス)は、投資家が市場の変動に対してどれだけ不安を感じているかを数値化したものです。

具体的には、シカゴ・オプション取引所(CBOE)によって算出されるこの指標は、S&P500指数に連動するオプションの価格をもとにしており、次の30日間に予想される市場のボラティリティ(価格変動の激しさ)を表しています。

投資家の間では、VIXは「恐怖指数」として広く知られており、VIXの値が高くなるほど、市場が将来の不確実性に対して強い恐れを抱いていると解釈されます。

特に、金融危機や市場の急落時にVIXが急上昇することが多く、そのためリスク管理の指標として非常に重宝されています。

 

VIXの具体的な数値の見方

VIXの数値を理解することは、投資判断を下すうえで非常に重要です。

一般的に、VIXが20を下回ると、市場は比較的安定していると考えられ、30を超えると市場が非常に不安定であることを示します。

  • VIXが10~20:市場が落ち着いている状態を示します。リスクは低く、投資家はリスク資産への投資に積極的です。
  • VIXが20~30:市場はやや不安定な状態です。リスク管理を重視しつつも、まだリスクを取りに行ける水準といえます。
  • VIXが30以上:市場は非常に不安定で、恐怖が広がっています。多くの投資家は安全資産に逃避する傾向があります。

 


VIX指数の計算方法とその背景

VIXの計算は複雑で、S&P500指数に関連するオプション価格を基に、次の30日間に市場がどれだけ変動するかを予想する手法です。

オプション価格には、「インプライド・ボラティリティ」と呼ばれる市場の将来に対する期待が含まれており、これを数値化することでVIXは市場の変動性を表現しています。

 

VIXの算出方法の詳細

VIXの算出は、具体的にはコールオプションプットオプションのプレミアムを基に行われます。

これらオプションの価格は、株価の将来の変動に対する市場の期待を反映しており、特に価格が大きく動くと予想されるときはオプション価格も上昇します。

計算には、広範囲にわたるオプションのストライク価格(行使価格)を使用し、これに基づいて次の30日間に市場がどれだけ動くかを数値化します。

この複雑な手法により、VIXは市場のセンチメントを反映する指標として広く使われています。

 

インプライド・ボラティリティの意味

オプション取引で使われる「インプライド・ボラティリティ(IV)」は、オプション価格に反映された未来の価格変動予測です。

これが高いほど、市場は将来の価格変動が大きいと予測しており、そのためVIXの数値も高くなる傾向にあります。

このように、VIXは実際の市場データに基づいた非常にリアルタイム性の高い指標です。

市場のニュースやイベントが発生した瞬間に、オプション価格が変動し、それが即座にVIXに反映されます。

これにより、VIXは「市場の心の動き」を測定する非常に優れたツールとなります。

 


VIXと市場の関係性:どのように変動するのか?

VIXと株式市場の動きには密接な逆相関があります。VIXが高いとき、株価は下落しやすく、VIXが低いときは株価が安定しているか、上昇傾向にあることが多いです。

 

なぜVIXと株価は逆相関なのか?

市場が不安定になると、投資家はリスクを避けようとします。

例えば、リーマンショックや新型コロナウイルスのパンデミック時には、投資家は株式から手を引き、より安全な資産(債券や金など)に移行しました。

このとき、VIXは急激に上昇し、同時に株価が大幅に下落するという現象が発生しました。

 

反対に、VIXが低いときは市場が安定しており、投資家はリスクを取りやすい環境です。

このような状況では、株式への投資が増え、株価は上昇する傾向があります。

 

VIXと市場のパフォーマンスの過去の例

過去の主要な市場イベントにおけるVIXの動きを見てみましょう。

  • リーマンショック(2008年):VIXは過去最高値である約80を記録しました。金融市場が大混乱に陥り、投資家は急速にリスク回避に走りました。
  • 新型コロナウイルスによる市場混乱(2020年):パンデミック初期にVIXは85近くまで上昇し、株価は急落。この時期も、投資家はリスク資産から逃避し、現金や金、債券に資産を移しました。

 


VIXを使ったリスク管理の基本

VIXを使ったリスク管理は、特に市場が不安定な時期に非常に効果的です。

投資家は、VIXの動向をチェックすることで、どのタイミングでリスクを避け、どのタイミングでリスクを取るべきかを判断できます。

 

VIXの数値を用いた基本的な戦略

  1. VIXが上昇しているとき:市場の不安が高まっているサインです。このタイミングでは、リスクを抑えたディフェンシブな投資戦略が求められます。例えば、現金ポジションを増やしたり、安全資産(ゴールドや債券など)へのシフトを検討するのが賢明です。
  2. VIXが低下しているとき:市場が安定しているため、攻撃的な投資が可能な時期です。成長株や新興市場への投資を増やすことで、高いリターンを目指すことができます。

VIXとその他のリスク指標の比較

VIXは非常に有用な指標ですが、これだけで全てのリスクを把握することは難しいため、他の指標との併用が推奨されます。

特に、異なる市場や資産クラスでのリスクを評価するために、以下の指標も活用されることがあります。

 

MOVE指数(債券市場のボラティリティ)

MOVE指数は、債券市場のボラティリティを示す指標であり、VIXが株式市場の動向を示すのに対して、債券市場のリスクを評価するために使用されます。

特に、金利の急激な変動が予想される局面では、MOVE指数が急上昇する傾向があります。

 

債券市場は株式市場とは異なる動きをすることが多いため、両者を合わせて見ることで市場全体のリスクをより正確に把握できます。

 

GVZ指数(ゴールドのボラティリティ)

GVZ指数は金市場のボラティリティを示す指標で、金は伝統的に「安全資産」として扱われているため、市場が不安定なときに注目されます。

市場が大きなリスクを抱えるとき、投資家は金に逃避するため、GVZ指数は上昇します。

 


VIXと投資戦略:実際の活用法

VIXを用いた投資戦略は、特に短期的な市場の動向を予測する際に有効です。

VIXが高いときはリスク回避を、VIXが低いときは積極的な投資を行うことで、投資の成功率を高めることができます。

 

VIXを利用した2つの基本戦略

  1. ディフェンシブ戦略:VIXが急上昇しているときは、リスクを避けることが重要です。このため、ディフェンシブな株式や、安全資産へのシフトを行うことで、リスクを最小限に抑えます。例えば、医療や消費者必需品セクターの株式は、経済の混乱時にも比較的安定しているため、こうしたセクターへの投資が有効です。
  2. 攻撃的戦略:逆に、VIXが低いときは市場が安定しているため、リスクを取って高リターンを狙うことができます。特に、新興市場や成長企業への投資は、このタイミングで効果的です。

 


VIX先物やETFの活用方法

VIXを直接取引に活用する手段として、VIX先物やVIX ETFがあります。

これらは、VIXそのものに投資することができる商品で、ボラティリティの上昇を予測して利益を狙う戦略に使えます。

VIX先物

VIX先物は、将来のボラティリティ予測に基づいて取引されるため、投資家は短期的な市場の変動を利用して利益を得ることが可能です。

しかし、先物取引には高いリスクが伴うため、しっかりとしたリスク管理が必要です。

 

VIX ETF

VIX ETFは、VIX指数に連動する上場投資信託であり、投資家がより簡単にVIXにアクセスできる方法です。

これにより、個人投資家でもボラティリティを活用した投資戦略を取ることが可能です。


VIXの限界と注意点

VIXは非常に強力なツールですが、万能ではありません。

特に、VIXは短期的な市場の動向を予測するのに優れていますが、長期的な市場のトレンドを予測する指標ではないという点に注意が必要です。

また、VIXが必ずしも市場の実際の動きと一致するわけではなく、一時的なニュースやイベントによって過剰に反応することがあります。

したがって、他のリスク指標と併用することで、より正確なリスク管理が可能になります。

 


まとめ:VIXを使ってリスク管理を強化しよう

VIXは市場のボラティリティをリアルタイムで把握できる非常に強力なツールです。

これを活用することで、投資家はリスクを的確に管理し、市場の動向に応じた柔軟な投資判断を下すことができます!

VIXを使いこなせば、リスクとチャンスを見極め、より成功に近づくことができます。

ぜひ、今後の投資戦略にVIXを取り入れて、リスク管理の精度を高めましょう!

 

 

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  • この記事を書いた人

おみくん

30代投資家。ファイナンシャルプランナー。不動産会社勤務| 投資歴11年、月に4-5冊投資関連本を読み、これまでに150冊以上読破|70%以上のドローダウン(資産減少)は3回...分析と検証を繰り返し損益レシオ2.57以上勝率45%キープ|保有:中小企業診断士、MBA(経営学修士)、宅地建物取引士、2級FP技能士

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